






デジタル時代のジレンマ
イタリアではATMやデビットカードの代名詞ともなっている、国を代表するブランドBANCOMATは、デジタル時代の中で2つの困難な課題に直面していました。1つ目は、デジタル利用が当たり前になっている新しい世代の利用者を惹きつけながらも、ブランドに深い信頼を寄せている既存の顧客ベースを維持すること。そして2つ目は、業務を合理化して明確性、効率性、有効性、そして価値を最大化することでした。
オンラインとオフラインが1つのブランドで完結
イタリア国内の利用者からはこんな声が聞かれました。「BANCOMATには信用も信頼に足る評判もあるが、統合型の決済エコシステムやデジタル時代となった今日の世界には合っていない」。その声を聞き、私たちはBANCOMATを進化させるために動き出しました。厳格なリスク評価とリスク軽減戦略を経て、BANCOMAT、PagoBANCOMAT、そしてBANCOMATPayを1つの強力なブランド、BANCOMATに統合したのです。統合にあたっては、綿密な計画を重ねて潜在的なリスクを考慮し、新しいブランドがビジネスの目的に合致したものになるよう策を練りました。
鳥の視点から景色を見る
BANCOMATの新しいブランドアイデンティティの最大の特徴は、空高く舞い上がるカモメをモチーフにした「B」の文字。従来の文字デザインを、デジタル時代におけるビジョンとリーダーシップの象徴へと進化させました。この「B」の文字こそがブランドの中核。鳥の視点をイメージした超広角な半球状の画像表現とどこまでも広がる視界は、ブランドのあらゆる要素に採用されています。使用されている写真は果てしなく広がる金融の世界を表現し、さらに、市場のダイナミズムに合わせて呼吸しながら形を変えていくような独自の文字デザインを組み合わせました。
現代の金融業界のストーリーを語る表現豊かなイラスト。脈打つエネルギーを伝えるダイナミックなレイアウトと魅力的なモーショングラフィックス。ブランドのあらゆる要素にスケール感と変わり続ける視点が体現され、常に進化を続けるBANCOMATというブランドそのものを映し出しています。これは、時代に適応し、拡大し、新たな高みへと飛び立つために生み出されたブランドなのです。
大きな飛躍が生み出した成果
ビジネスを1つのブランドに統合させ、ブランドの強化とリポジショニングを図った今回の取り組みは、明らかな成果をもたらしました。広範な顧客検証に基づく当チームによる分析では、BANCOMATのブランド刷新によってビジネスへの貢献度は16%増加し、ブランド価値が48%引き上げられることになると予測されています。さらに、ブランド差別化への効果が40%向上し、革新的なデザインと表現によって、特に若い世代を中心に、イタリア国内の顧客とのエンゲージメントが大幅に改善されることが期待されています。
BANCOMATの最高経営責任者、Fabrizio Burlando氏は次のように話しています。「強固なビジネスケースに裏付けられたLandorのブランド再構築は、当社のブランドに秘められていた可能性をすべて解き放ってくれました。ブランドこそ、我々のビジョンを達成するための重要なアセットです。新しくなったBANCOMATブランドは、大胆に、情熱的に、そして時代に合った形でパートナーやお客様との繋がりを築き、イタリアで最も先端的な決済システムを作っていくための道標となるでしょう」