
M&S「シュウォッピング」
ショッピングの方法を変える

社会貢献の新たな機会
マークス&スペンサー(M&S)とともに、食品、ファッション、家庭用雑貨部門を活性化するリテール戦略の開発に1年間取り組んだ後、ランドーの次なるステップは、M&Sブランドを際立たせる新たな機会を見つけることでした。M&Sは長きにわたって環境活動を行っていましたが、その取り組みは認知されていませんでした。
古着寄付プログラムをリメイクする
M&Sは既に国際協力団体オックスファムと提携し、買い物客が衣料品を購入する際に古着を寄付すると5ポンドのバウチャーを提供する取り組みを行っていました。ランドーはこのプログラムに触発され、ブランドの代名詞となるような取り組みへとリメイク。衣料品の購入一点につき、古着一点を店内に設置してあるオックスファムの専用ボックスに寄付するよう、買い物客に呼びかけたのです。このアピールは買い物客の行動に変化をもたらしました。気軽にオックスファムへ寄付できるようになり、さらにはバウチャー目当てでなく責任感から寄付するという意識を芽生えさせました。

新しい考え方を浸透させる
行動喚起のために、ランドーは「シュウォッピング」(Shopping+交換を意味するSwapping)という造語を創りました。この耳新しい言葉はたちまち買い物客の間に浸透し、行動の変化を促す力になりました。
マルチチャネル・キャンペーン
シュウォッピングのブランドアンバサダーとして英国のコメディ「アブソリュートリー・ファビュラス」で知られる女優ジョアナ・ラムリーを起用し、統合キャンペーンを展開しました。テレビ、プリント、デジタルメディアを活用し、シュウォッピングが人々の会話に出るように注力。QRコードを使って自分の「シュウォップ」を登録したり、Facebookページで「シュウォップ」を比較したり、毎週行われる懸賞に応募できるようにしました。
https://www.youtube.com/watch?v=C6RxLo7LFPQ
注目を集める
M&Sはロンドンの通りを9,513点の衣類で飾り、「シュウォップ・ストリート」に変身させました。この数字は、英国で5分ごとに捨てられている衣類の数を表しています。また、若いデザイナーたちが「シュウォッピング」された衣類を実験的なファッションとして蘇らせるスタジオ「シュウォップ・ラボ」とをオープン。作品はM&Sのデジタルソーシャルメディアプラットフォームで紹介されました。
コミュニティに賞賛される
「シュウォッピング」は成功を収めました。360万点もの衣類が「シュウォップ」され、1年間で220万ポンドをオックスファムに寄付。C&Eの世論調査によると、M&Sとオックスファムのコラボレーションは、英国で最も賞賛を受けた企業パートナーシップでした。この成功を受けて、さらにM&Sは職場における古着リサイクル支援プログラム「シュウォップ・アット・ワーク」をスタートしました。
1年目の成功
- 「シュウォップ」された衣料品 360万点
- オックスファムへの寄付 220万ポンド
- Facebookのファン 625,000人
- Facebookのインプレッション 460万件
- 「シュウォッピング・マニフェスト」の閲覧 583,000ビュー
- 広告認知度 64%(他のM&S広告は平均30%)
- 英国で最も賞賛されたパートナーシップ