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ドバイ国際空港

常識の枠を超えたブランドを

毎日15万人以上の旅行客が利用するドバイ国際空港(DXB)は、国際線の搭乗者数世界第1位、総旅客数でも世界第3位のポジションを誇ります。東洋と西洋の交差点に位置する空港として世界で最も好まれるトランジット空港となるべく、DXBを運営するドバイ・エアポーツはブランディングプロジェクトをスタートしました。

空港というブランドは、必ずしもコンシューマーブランドという立ち位置を取ることがない中、本プロジェクトではユーザーである旅行者を中心にブランドの設計を始めました。旅行客を強く惹きつけるためにドバイ・エアポーツに必要なものは何かと考えた時、利用者と向き合い共感を得られる独自のアイデンティティーが必須と考え、空港を「行きたくなる特別な場所」に進化させるという目標を設定しました。

そこでランドーでは、ブランドアーキテクチャーにヒントがあると考えました。ドバイ・エアポーツをB2Bのマスターブランドと位置付け、DXB(ドバイ国際空港)とDWC(ドバイ・ワールド・セントラル国際空港)2つのブランドをその傘下に置き、利用者に向けた目的地ブランドとして使い分けるという戦略を導き出しました。

まずは「最も記憶に残るトランジットとは、どのような体験か?」を明確にするために、ブレインストーミングや視覚調査、ベンチマーク設定、クライアントとの話し合いを重ね、6つの体験型コンセプトを開発しました。そして各コンセプトのプロトタイプにより検証を重ね、空港を利用する旅行客の好みを導き出しました。

旅行客を魅了するために

検証を通じて明らかになったのは、旅行客が空港で体験したことがドバイに対する興味につながるという点でした。ドバイという若い都市には驚きがあふれ、街のあちこちで新しいものや発見に出会うことができます。

こうした結果から、「内に秘めた驚き」というコンセプトを設定しました。ドバイをドバイたらしめている特徴はたくさんあります。オープンで魅力的な都市である点、他市と比べても引けを取らないおもてなしの文化がある点などです。その二面性は旅行客にとって興味深く、想像力がかき立てられます。DXBというブランドには、ドバイの持つこれらの魅力や驚きという特徴が反映されているだけでなく、DXBブランド自体がドバイという都市の特徴の上に成り立っています。

空港内にドバイらしさが溢れるように、例えば地元アーティストの絵や書をディスプレイしたり(Art DXBブランド)、空港内でコンサートを開いたり(Music DXBブランド)することで旅行客があっと驚くような体験ブランドを定義しました。

また、この都市の代名詞とも言える「手の届く贅沢」を提示する現代的なおもてなしが織り込まれたブランド体験を設計し、小さくても心のこもった体験が旅行客の気持ちを高めエンゲージしていく仕掛けを考えました。

その一例として、声のブランディングがあります。例えばDXBの旅行ガイドの声は、礼儀正しく、心地良く、それでいてエネルギッシュで親しみのあるペルソナで設定されています。このトーンは、DXB内のあらゆる物理的空間やオンラインのタッチポイントで統一されています。

「驚き」のブランドマーク

「内に秘めた驚き」を視覚的に盛り込むため、切り割った矢で組み立てられたXの文字をブランドマークの特徴として取り入れ、ドバイの精神とも言える「内に秘められた驚き」がヴェールを脱ぐような形にしました。また対比色を用いることによりDXBを陽気で魅惑的なブランドとして位置づけ、世界の主要な空港ブランドとの差別化を図りました。

DXB空港の内装は、温かみがあり、心地よく開放的で、ドバイの街そのものを反映し、ステレオタイプのアラブ風デザインに頼らない点が意識されています。エコフレンドリーでありながらモダンでドバイらしいルック&フィールを含むビジュアル・アイデンティティーを開発しました。

ビジュアル・アイデンティティーは「内に秘めた驚き」コンセプトをベースに、印刷物やデジタル系のタッチポイント、制服などでロールアウトされました。

さらにランドーでは、DXBブランドに加えてドバイ・エアポーツのマスターブランドのブランドマークおよびビジュアル・アイデンティティーも手がけました。お洒落で気の利いたドバイ・エアポーツのブランドマークも、DXBと同じく「内に秘めた驚き」というアイデアから創られました。さらにビジュアル・アイデンティティーおよびドバイ・エアポーツの従業員へのインターナルコミュニケーションを含むブランドスタイルガイドも開発しました。

さらなる飛躍を

DXBブランドはいまや、幅広いライフスタイル体験を提案する目的地ブランドになるまでの進化を遂げました。Time Out誌のドバイ版と提携し、ドバイに関する情報のキュレータとして、ドバイをベースとした空港内外での体験に関する情報提供も行っています。

2019年2月、スカイダイビングのイベントや魅力的な広告キャンペーンとともにDXBブランドがローンチしました。各メディアは大々的に報道し、ドバイ首長であるSheikh Mohammed氏からは、「私たちは今日ここに、DXBがこの先も世界随一の革新的かつ先進的な空港であり続けることを宣言します。」という祝辞が送られました。

DXBのスタートにあたり、ドバイ・エアポーツのCEOであるPaul Griffiths氏はこう述べています。「私たちが世界をどのようにコネクトしていくのか、DXBは一つの解を見せてくれました。今後は、世界各国220ヶ所の目的地へ旅行者を運ぶだけでなく、異なる文化や食べ物、音楽や芸術を体験を可能にしていきます。それこそが、DXBとドバイ、そしてUAEが目指すものです。」