












THE STORY
ラボにとどまらない化学
Syensqoは、すでに大手企業がひしめく競争の激しい市場に参入するという、困難な課題に直面していました。同社は、「卓越性」や「イノベーション」といった画一的な主張が飛び交う中でブランドとして独自色を確立する必要がありました。同時に、スピンオフ元であるSolvayの160年の歴史と遺産を活かしつつも、その存在感に埋もれないようにすることが求められたのです。
企業から集合力へ
そのためには、化学業界の固定的な枠組みを超えるしかありませんでした。1911年のソルベー会議で重視された協働の精神から着想を得たSyensqoは、単なる一企業ではなく、科学の進歩を牽引する活動組織として自らを位置づける必要があったのです。
同社は、投資家、パートナー、優れた人材を惹きつけることで、特殊化学を単なる技術分野から人間的な営み――協働が成果を生み出す場――へと変革することを求められました。
変革のDNA
その核となるのは、「Science Made Collective(科学を集合力に)」の理念です。原子が集まって物質を形作るように、Syensqoは人やアイデア、そしてサステナビリティを結びつけ、科学を前進させます。これは単なるスローガンではなく、ストーリーテリングからデザイン、そして体験に至るまで、ブランドのあらゆる側面を貫く戦略的かつクリエイティブな基盤となっています。
デザインの科学
Syensqoのロゴは、1911年のソルベー会議に敬意を表し、24人の先駆的な科学者たちを表す24個の相互につながったドットで構成されています。この流れるようなモジュール型デザインは、ブランドの協働精神を視覚的に体現しており、科学的な化学と科学的な人間を親和的に融合させています。また、業界で多用されてきた「冷たいブルー」とは真逆の鮮やかなオレンジ色をテーマカラーにすることで、Syensqoの先進的な姿勢を象徴しています。さらに、科学に対する人間中心のアプローチを強調するために3Dイコノグラフィーでロゴを描き、人間中心の没入型かつ実用性に富んだ形で物質とイノベーションの力を表現しています。
協働の力
その効果は即座に現れました。Syensqoの新規上場は期待を上回る成功を収め、株価は2日間で10%以上上昇しました。同ブランドは2024年の最も大胆な産業リブランディングの一つとして高く評価され、従来の業界の常識からの脱却に成功しました。
さらに、#WeAreExplorersのようなキャンペーンによって優秀な科学者たちを惹きつけ、採用やエンゲージメントも大きく向上しました。Syensqoは、単なる特殊化学品企業ではなく、科学の進歩を推進するムーブメント――協働の力そのものとしての地位を確立したのです。
「Syensqoの創設にあたり、私たちは、ビジョン、独自性、俊敏性を体現し、進化する市場環境の中で成長を促進し、新たな機会を捉えることができるブランドを必要としていました。この変革において、Landorの戦略的かつ創造的なパートナーシップは極めて重要な役割を果たしました。
Landorは、当社のビジネスパートナーへの広範なブランドパフォーマンス調査を含め、厳格かつ洞察に富んだアプローチを取りました。その結果、Syensqoのポジショニングとビジュアルアイデンティティを明確にする上で、不可欠な洞察と確信を与えてくれました。
戦略とデザインの卓越性を融合した彼らの統合的な専門知識により、私たちは、私たちの目的、科学的遺産、そして未来への野心を反映するブランドを確立することができました。その結果、従業員を結束させ、顧客を惹きつけ、持続可能な進歩とイノベーションの触媒としてのSyensqoの役割を表現する、未来志向のアイデンティティが誕生しました。」
- Sonsoles Llopis Garcia, Syensqo 広報部長