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絶滅の危機にある生物種とその環境を守りぬくこと ―このビジョンを支持しない人がいるでしょうか。国際自然保護連合(IUCN)は、この分野の専門家を抱え、確かなデータも保有しています。しかし、民間セクターを説得して資金を募ることは、そう簡単ではありません。Landorはブランドの再構築をサポートし、人々の危機感を高めることで活動への賛同者を増やすことに成功しました。
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より効果的なストーリーテリング


最初に取り組んだのは、IUCNが発信するメッセージの変革です。まずは人々の根本的な認識の変化を促す必要がありました。自然界において、動物や植物はただ存在しているわけではありません。すべては「共存」しています。1つの種の存在が脅かされると、生態系全体が危険にさらされることになります。もちろん私たち人間も例外ではありません。つまり、「地球を救う」と言うときには、そこには自分たちを救うという意味も含まれるのです。そう考えると、IUCNの取り組みを表すブランド名「Save Our Species」にも新たな意味がもたらされます。


種の存続を象徴的に表す


この認識を広め、そこに説得力をもたせるために、Landorはシンプルな比喩的表現を用いてブランドを構築しました。ドミノは自然界の均衡の崩れやすさを表現しながら、人間活動の影響を決めるのは私たちの行動であること、そして私たちの行動によって最終的には自然を「自立」させ続けることができるということを訴えています。


ドミノのデザインは、グラフィック、ロゴ、ストーリー、そして動画など、さまざまなコミュニケーションで柔軟に使用でき、コンセプトを分かりやすく伝えます。また、特定の生物種からもっと広い意味での生態系に至るまで、コンテンツの規模感に関わらずIUCNのストーリーを伝えられるよう、順応性の高い文字デザインを使用しました。各要素が相互に依存するようなデザインによって、自然が常に緊張状態に置かれていることを表現し、この問題の緊急性を強調しています。


RESULTS


カンヌライオンズ ブロンズ受賞
D&AD ウッドペンシル/ブランディング部門/ブランド リフレッシュ


私たちは、視覚的な比喩表現と順応性の高いブランドアセットを使用することで、人々の認識に変化をもたらしました。地球を守るために何をすべきか、より多くの人々に考えてもらうきっかけになるでしょう。IUCNでグローバルコミュニケーション部門のディレクターを務めるRicardo Tejada氏は、今回のブランド改革を「一目でストーリー全体が伝わる天才的な発想」と表現しています。


「Landor & Fitchは、デザインの力を活用して複雑なストーリーを伝え、IUCNの新たなブランド『Save Our Species』の構築を支えてくれました。ドミノを通して語られるストーリー、そして複数のストーリーを体現するそのデザインの力を、私たちはもちろん、オーディエンスも実感しています。このデザインに取り入れられた戦略的思考と創造性の力は本物です」— IUCN、コミュニケーション&ビジネスエンゲージメント部門マネージャー、Maud Williams氏