ランドーグローバルCEO、ブランドコミュニティ、アジリティ、技術について語る

ランドーは、現代のダイナミックで変化の激しい市場におけるアジャイルブランド作りのエキスパートとして、ブランドコンサルティングとデザインにおける世界的リーダーへの道を切り拓いてきました。その中では、BMW、ナイキ、エティハド航空、全豪オープンテニスなどをはじめ、数々の有名ブランドが目まぐるしく進化を続ける世界のブランディング界に対応していくためのサポートをしてきました。

2018年1月にExchange4Mediaが、ランドーの新CEO、Jane Geraghtyへ行なったインタビュー記事をご紹介します。

本記事では、前欧州・中東・アフリカ担当プレジデントであり、2012年からグローバル・エグゼクティブ・チームのメンバーとして参画してきたるGeraghtyが、CEOとしての役割や会社のビジョン、そしてアジャイルブランドに対するランドーのアプローチについて語っています。Geraghtyは「ランドーで働くやりがいの一つに、その仕事の幅広さがあります。カテゴリーを越えたイノベーションが市場を劇的に変えているこの時代には、幅広い専門知識を持っていることが他社に差を付ける優位性となります」と述べました。以下、Exchange4MediaによるGeraghtyのインタビュー記事となります。

Jane Geraghty, CEO of Landor

Exchange4Media: ランドーは、多くの有名ブランドのリブランドや戦略策定をサポートしてきました。さまざまなステージやプロセスを経験してきたブランドと協力して新しいものを作る上では、ブランドの一貫性をどのように維持しているのでしょうか?

Jane Geraghty: 私たちの仕事の中心であるブランディングとは、クライアントのために魅力的なストーリーを作り上げることです。こういったブランド・ストーリーは、企業の内外にある複数のプラットフォームで使えるものです。説得力のあるブランド・ストーリーを作れば、一貫性を生むことができます。

ブランド・ストーリーを生み出すには、いくつかの方法があります。ひとつは、とてもシンプルなブランドフレームワークを使って、戦略的に定義したブランドの目的や特徴的な信条、そしてブランドに力を与えるアイデアなどをまとめあげることです。また、幅広いブランドナラティブの展開にも力を注ぎます。きちんとしたフレームワークと戦略、そしてナラティブが揃えば、チャネルやボーダーを越えてストーリーを効果的に伝えることが容易になります。

Exchange4Media (以下、E4M): ランドーのCEOに就任されましたが、現ランドーの長期的な目標は何ですか?どのような方向へ向かっていますか?

Jane Geraghty (以下、JG): 76年前の創業時、ランドーは世界初かつ唯一のブランドコンサルティング会社だったと思います。私たちは「ブランディング」の生みの親なのです。ですからある意味、今私たちがやっていることは、これまでずっとやってきたことなのです。つまり、企業の内外で説得力のあるストーリーを語り、ビジネスに良い結果をもたらすこと。昔と違うのは、ストーリーを語る方法だけです。私たちのクライアントは皆、デジタルトランスフォーメーションの時期を乗り越え、さまざまな方法で技術を活用しています。私たちの仕事は、こういった技術革新やアプリケーションを、繁雑さが少なく、シンプルで、安価な顧客体験につなげることです。また、ブランドのレンズを通してこういったインタラクションが差別化されるようにすることも、私たちの仕事です。私たちの仕事の核となる部分は劇的に変わってはいないかもしれませんが、ストーリーを語るために使用している手段やチャネルは大きく変わっています。

Landor office map

私たちにとっての大きな変化は、トップダウンの教育が減り、よりボトムアップのアクションや参加が増えていることです。私たちは、クライアントがブランドを活用してデジタルトランスフォーメーションへの取り組みを差別化し、ブランドコミュニティを確立する場面でのサポートに力を注いでいます。

E4M: インドでのランドーのビジネスでは、どのようなことを計画していらっしゃいますか?市場としてのインドの発展をどう見ていらっしゃいますか?

JG: インド市場は大好きです。私がランドーに入社して7年になりますが、今年ランドーはムンバイへの進出から10周年を迎えました。インドのオフィスは素晴らしい結果を出しています。インドは私たちにとって常に重要な場所でした。最近はますます技術に関する課題に重点的に取り組んでいますので、この市場は非常に魅力的です。たくさんの技術革新がインドから生まれています。ムンバイのオフィスは、私たちが世界中で行っている仕事に大きな影響を与えることになると思います。

Landor Mumbai Greatest Hits

E4M: ブランドマネジメントのための新しいブランドコミュニティモデルについて教えてください。

JG: 現代のブランドの目的は一貫性であり、統一性ではありません。そう遠くない昔、ブランドマネジメントとは世界中のマーケットやチャネル全体に統一されたブランドイメージを効果的に管理することを意味しており、私たちはガイドラインを使い、それに奴隷のように従う必要がありました。しかしそんな日々は終わりました。ソーシャルメディアやほかのデジタルメディアの影響が大きいですね。結果として、私たちは考え方を変える必要が出てきました。実際は、ブランドに影響を与える複数のコミュニティが存在し、これらのコミュニティは素晴らしいインサイトと共同創作のチャンスを生み出す可能性を持っています。その中には、ブランドに驚くほど大きな影響を与えるかもしれないコミュニティもあります。ブランドマネジメントを着実に行い、ブランドが現代の世界で迅速にアクションを起こせるようサポートするためには、ブランドとそのコミュニティを分けて見る必要があるのです。

Brand Community Model framework

マルチチャネルな世界では、どのブランドも「聖域」となるアセットを持っています。これらのアセットは、ブランドを伝える手助けをし、ブランドアイデンティティの中心を形成しています。こういったアセットに手を加えることは許されません。しかし、さまざまなコミュニティからのインプットを活用して解釈が可能なアセットもあります。こういったアセットは特定のニーズに合わせて応用できます。そして、まだ作り上げられていない完全に自由なアセットもあります。私たちは興味の異なるさまざまなコミュニティを含むモデルを構築し、ブランドに固定要素、柔軟な要素、そして自由な要素があることを歓迎しています。

E4M: ランドーは「アジリティ・パラドックス」に取り組んでいますね。プロジェクトではどのように「アジャイルブランド作り」を実行していますか?クライアントからはどのようなフィードバックを受けていますか?

アジリティという概念は、クライアントに非常に好意的に受け入れられています。ブランドは進化し変化する必要がありますが、同時に自分たちらしさを失わないようにする必要があります。野心的で進歩的なクライアントはこの点をよく理解しています。クライアントの多くは、ストーリーを伝えて顧客の参加を呼びかけるという機会に興奮しています。これにより、最終的に顧客ロイヤリティが高まり、より良いビジネスの結果につながるのです。私たちは非常に好評をいただいていますし、顧客のブランドをよりフレキシブルかつアジャイル(機敏)にし、世界中にさらにファンを獲得するための方法について多くの関心をいただいています。

E4M: 現在では多くのブランドが、主流のマーケティング手法に留まらず、没入型のブランド体験を生み出す大きなソーシャルムーブメントを起こしています。どのようにこれを実現し、適切なブランドメッセージを作るのですか?

現在ブランドは、単に世界中の人々の役に立つだけでなく、顧客に報酬を与え、時代に合った文化を維持するために革新をしていかなければならない、という義務を負っています。ブランドにとっては、魅力的な方法でストーリーを語れる数えきれないほどのチャンスがあります。私たちはナイキと数多くの仕事をする中で、小売店で使用する動画アセットを作成しました。私は、顧客体験を向上させることを目的としたひとつの空間におけるアナログとデジタルの衝突が、今後興味深い展開になるのではと考えています。

E4M: 市場で注目している全体的なトレンドについてお話しいただけますか?

私たちはソーシャルネットワークでつながった世界に住んでいます。140字でブランド・ストーリーを語らなければなりません。音声認識技術の普及も進んでいるため、ブランドをはっきりと声に出して伝えていくことが重要です。実際にこの技術は、今後3年間で700%の伸びが予想されています。ブランドの声を本当に正しく伝えることが、ブランドの市場におけるポジションを差別化する際に役立つことになります。

この文章はExchange4Mediaの「Landor’s Mumbai Office Will Disproportionately Impact the Network: Jane Geraghty, CEO, Landor」(2018年3月7日)に掲載されたものです。許可を得て転載しています。